こんにちは。風呂敷専門店むす美 京都 の堀です。
慶事・弔事で金封をお渡しする際の風呂敷の選び方をご紹介します。
- どんな風呂敷を選べばいい?気になる方は↓↓
■金封の包み方
「金封の包み方」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、風呂敷の包み方にある「平包み」と同じものです。結んでほどく動作が無い、最も格式が高い包み方です。
祝儀と不祝儀で全く同じ包み方をするのは、マナーに反するので注意しましょう。
実は慶事・弔事どちらも包む手順は全く同じです。
①の祝儀袋が横向きになっている状態になるよう画像を回転させてみます。
異なるのは金封の頭の向きです。
①の包み始めで「金封の頭の向きを祝儀は左、不祝儀は右」と"逆"に向けることを覚えておけば、包み方の手順は同じです。金封だけでなく、のし紙をかけた贈答品を渡す際の包み方も同じです。
「慶事・弔事の包み方の違い」は動画で見るとわかりやすいです。動画で包んでいるのは贈答品ですが、金封でも包む手順は変わりません。
この"逆"は和文化に基づく考え方です。
よく知られている「着物の左前、死装束の右前」のように、和文化には「ハレの日とケの日とで"逆"のやり方で行う=ハレとケの区別をつける」という風習があります。
■金封の渡し方
金封をお渡しする際に、もう一つ"逆"があります。
包みをひらく時に"逆"の手を使うことです。「祝儀は右手、不祝儀は左手」となります。実はこれを守ることで、現れた金封がちゃんと正面を向く、理にかなった方法でもあります。
金封をお渡しする際には、取り出した金封を先方に表書きが読める向きに向け、両手で手渡ししましょう。
金封の渡し方としては、
- 包みをひらく
- ひらいた風呂敷の上で180度金封を回転させる
- 先方に金封を両手でお渡しする
- 風呂敷を簡単にたたみカバンにしまう
という流れになります。
立ったままお渡しになる場合、包みをほどいた風呂敷の角がだらんと垂れるのが気になる方は、金封包みを支えている手(祝儀なら左手)で、垂れた布の部分を持っておくと良いでしょう。
「包み始めの金封の向き」、「包みをほどく際の手」この2つの"逆"に注意して、あとは自然にお渡しできると素敵ですね。
読むだけだと頭がこんがらがるかもしれませんので、ぜひ一度手を動かしてお試しください。
■おわりに
「マナー」と聞くと、失敗してはいけない、敷居が高いもののように感じるかもしれません。確かにご紹介した「色」「向き」など、文化の中で形作られた「決まり」はあります。
ですが、そうした少しの知識を身に着ければ失礼にあたることなく、相手の方を敬い、真心を込めた心遣いができるようになります。
堅苦しく捉えず、迷った方は店舗やオンラインショップのスタッフまでお気軽にご質問くださいね。
毎月むす美実店舗で開催しているワークショップ・ベーシック編でも、今回のようなマナーについてのお話をはじめにしています。
風呂敷専門店むす美 京都 の堀でした。